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相続不動産の売却は「直接買取」で賢く立ち回る

不動産売却

矢野

筆者 矢野

不動産キャリア4年

経歴:金融機関出身で17年の勤務で住宅ローン相談実績1500件以上、多重債務救済対応、延滞債権の管理回収対応も担当し、個人融資の入口から出口までの業務すべてを経験。不動産業界に転職後、売買仲介を経験後、中古物件の買取再販や建売住宅の企画販売などを担当。現在は不動産会社としては2社目で売買仲介をメインに担当。

相続不動産の売却は「直接買取」で賢く立ち回る



相続不動産の売却は「直接買取」で賢く立ち回る

――税金優遇と心理的負担の軽減を両立する方法とは?

不動産を相続すると、「この家をどうすればいいのか?」と多くの方が戸惑います。思い出の詰まった実家や遠方にある空き家など、相続した不動産には感情的な葛藤がつきものです。しかしそのまま放置してしまうと、固定資産税の負担や老朽化による価値下落、近隣トラブルなど、問題が山積していきます。

そのため、多くの方が「売却」という選択を考えます。中でも注目したいのが「不動産業者による直接買取」です。一般的な仲介による販売と異なり、スピーディーかつ確実に現金化できる方法として、近年利用者が増えています。

本記事では、相続不動産の売却において「直接買取」がなぜ有効な選択肢となり得るのか、税制優遇や心理的負担の軽減という観点から解説していきます。

一般的な「仲介売却」の落とし穴

多くの人がまず思い浮かべるのは、「不動産会社に依頼して市場に出し、購入希望者を募る」という仲介による売却です。売主にとって希望価格で売れる可能性があり、一見魅力的に思えます。

しかし、仲介売却には以下のようなデメリットが存在します。

  • 売却完了までに時間がかかる:買主が現れなければ、数ヶ月、時には1年以上かかることも。
  • 販売活動の手間とストレス:内覧対応や価格交渉、売却戦略の見直しなど、売主の負担は大きい。
  • 市場価格の変動リスク:築年数の経過や地域需要の低下により、売却価格が想定より下がるケースも。

特に相続直後は、葬儀や遺品整理、相続登記などで精神的にも体力的にも余裕がない時期です。そんな中で「いつ売れるか分からない」「値下げ交渉が怖い」といった不安が売主を圧迫します。

不動産業者の「直接買取」とは?

それに対して、不動産業者が直接物件を買い取る「買取」は、仲介と異なり買主が最初から決まっているため、スムーズに売却が進みます。

【直接買取の主なメリット】

  • 即現金化が可能:早ければ1~2週間程度で売却が完了。
  • 内覧・交渉の負担がない:購入者を探す必要がないため、精神的なストレスが大幅に軽減。
  • 契約不成立のリスクが低い:業者はプロなので、ローン審査などの不安も少ない。
  • 瑕疵担保責任を免責にできることが多い:古い物件にありがちな欠陥に対する不安も和らぐ。
  • 空き家の管理コストを抑えられる:長期保有による固定資産税や草刈り等の負担を避けられる。
  • 売却前の手入れや片付けが不要:動産処分や庭の清掃、修繕など、売出し可能な状態にするための費用や手間がかからないのも大きなメリット。

相続不動産を「早く・確実に」処分したいと考える人にとって、直接買取は非常に合理的な選択です。

「譲渡所得の3,000万円特別控除」がカギ

不動産売却には譲渡所得税が発生しますが、相続した物件の場合、一定条件を満たせば「3,000万円の特別控除」が適用される可能性があります。

【適用条件(主なもの)】

  • 相続した家屋が、被相続人の居住用であったこと
  • その家屋を相続人が居住用として使っていないこと
  • 売却するまでに一定の期間(通常3年以内)を超えていないこと
  • 家屋が耐震基準を満たす、あるいは取り壊して更地にすること

この制度が適用されると、たとえば相続不動産を3,500万円で売却しても、譲渡所得は500万円とみなされ、税負担を大きく軽減できます。

注意:控除の適用可否は「売却契約日」が基準です。タイミングを逃すと、優遇措置を受けられない可能性があります。

早期に売却できる「直接買取」なら、この特別控除を確実に活用しやすいのが大きな利点です。

精神的な負担を軽減する「出口戦略」

相続不動産には「感情」と「義務」が絡み合い、なかなか決断ができない方も多いのが現実です。

  • 思い出が詰まっていて手放しづらい
  • 兄弟との話し合いが進まない
  • 地方にあって自分では管理できない

こうした「保有リスク」を放置してしまうと、思わぬ出費や法的トラブルを招くことになります。

不動産業者による直接買取は、そうした葛藤を抱える相続人にとって、手間をかけずに着地できる「出口戦略」になります。「今の価格でも確実に手放せる」という安心感は、長期的には最良の選択になることもあります。

買取価格は「安い」のか?

「買取は安く買い叩かれる」といったイメージを持たれることもあります。実際、仲介での売却と比べれば、買取価格は市場価格の5~7割程度になるのが一般的です。

しかし、仲介での売却では以下のようなコストも発生します。

  • 仲介手数料(売却価格の3%+6万円+税)
  • 修繕・リフォーム費用
  • 売却までの固定資産税・維持管理費
  • 価格下落や契約破棄などの売却期間中のリスク

これらを総合的に考えれば、「確実に早く売れること」そのものが十分な価値を持つといえます。

まとめ|相続不動産は「今、確実に売る」が賢い選択

相続不動産の売却は、タイミングと戦略が大切です。「売り時を逃さない」「精神的な負担を減らす」「税制優遇を活用する」この3つを同時にかなえる方法として、不動産業者への直接買取は有力な選択肢です。

もちろん、最終的には物件の状態や相続人の意向によってベストな方法は異なりますが、「売れたらいいな」と願いながら時間を浪費するよりも、「確実に売る」ことによる安心感を選ぶことで、その後の人生設計も立てやすくなるでしょう。

まずは、実績のある買取業者に査定を依頼してみることから始めてみてはいかがでしょうか?



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